弁護士 山田訓敬が、遺産の調査について解説いたしました。動画でわかりやすくご説明させていただきました。ぜひ覧ください

 

皆さんこんにちは、あなたの悩みを思い出に、弁護士の山田訓敬です。
本日は遺産の調査の仕方について若干ご説明したいと思います。

ある方が亡くなりました。その方の遺産を他の家族の方がわかっていらっしゃったらそれはいいんですけれども、そうではない場合、あるいはエンディングノートとかこういう財産があるよというメモ書とかを残してくれていたらいいですけども、そういうものもない、最近多いのが孤独死ですね。一人暮らしの老人の方が亡くなられた、こういう場合に家族の方でも一緒に暮らしてない方は、どういう財産を持っているのかわからないということがよくあります。
そういう場合に遺産の調査が必要になってくるんですけれども、どういう風な調査をするのかというのについてご説明したいと思います。

大きくいうと預貯金、あるいは不動産、あるいは有価証券類、他にもいろいろありますけれどその他の財産、どういった調査をするのか。

(1)預貯金

①通帳・カード類確認

まず預貯金については当然ながらいわゆる家探しをして、通帳とかカード類、こういったものを確認します。
ところが通帳カード類とかが出てくればいいんですけれども、出てこない場合、でもこういう預金があったりしたらどうなのかなっていう疑問がある場合にどういう調査をするのか、例えば銀行協会とかにこの方が亡くなったので、この方名義の預金はないですかって問い合わせをして答えてくれればいいんですけど実際はそうではありません。
各銀行毎に調べななくてはいけない、少なくとも支店までわからなくてもいいけれどもどこの銀行かは分からなくてはダメ、そういう場合に通帳カード類が見つかればその分は分かるんですけれども、見つからない場合にどうなるのか、

②郵便物の確認

そういった場合には郵便物を確認するというようなことでどこどこ銀行から郵便物が来てるとかいうようなこと、あと特に最近は通帳カードがない場合とかもあります、ネット銀行とかそういう場合にはパソコンとかを調べて銀行取引してないのかを調べる必要が出てきます。

③確定申告書、決算書の記載

後はやっぱり確定申告書とか、あるいはその方が法人を経営されていた場合の決算書とかですね、そういった資料がないか、その中にどういう記載があるのか、預貯金の記載がないかどうかそういったものを確認します。

④弁護士会の照会制度、調査嘱託

それから弁護士に認められてるんですけれども、弁護士会の照会制度、弁護士法の23条照会って僕らはよく言うんですけれども、そういう弁護士会を通じての問い合わせ、あるいは調査嘱託と言ってですね裁判所を通じて裁判所が調査をしてくれるとそういう制度もあります。ただ実際はこの調査の嘱託はなかなか裁判所は認めてくれないので、実際には弁護士会の照会、こういうのをよく利用します。

⑤カレンダー類

後はカレンダー類ですね。例えば○○銀行のカレンダーが置いてあったとかいうことになれば、その○○銀行と取引があるんじゃないかというのを推測してその銀行に問い合わせをするというようなことも考えられます。

(2)土地・建物

次に土地・建物。土地・建物については割と簡単です。

①権利証、登記識別情報

権利書とか、今は登記識別情報といいますけれども、そういう昔で言う権利書みたいなものですね。そういったものを見つけ出して、その地番とかを探し出して、登記簿謄本を取るということが一つ考えられます。

②名寄せ帳、固定資産税通知書

後は固定資産税の通知書、不動産をお持ちだったら固定資産税が来てるはずなので、そういう通知書とか、あと役所に行けば名寄せ帳と言って、その固定資産税を払っている、それに登録されている不動産について一覧になっている帳簿があります。
そういうのを取り寄せるという事も考えられます。この名寄せ帳の取り寄せは不動産を把握するにはすごくいいんですけどもね。
あとはこれに基づいて登記簿謄本を取れば、例えば抵当権とかあるいは根抵当権ですね、そういったもの、いわゆる担保を設定してる場合があります。そういう場合に共同担保と言って、ある不動産がAとしましょう。A不動産と別にB不動産があって、それぞれを共同で担保入れてる様な場合、 共同担保と言うんですが、それはA不動産の登記簿謄本を見ればB不動産のことも出てくるんですね。そういうことでA不動産の登記簿謄本をとったら、このB不動産があるって言うのがわかったとかそういうこともありえますので、不動産登記簿謄本を法務局に行って取るということも考えられます。

③公図

あとよくあるのがこの名寄せ帳とか固定資産税通知書というのは、固定資産税がかかっている分については出てくるんですけれども、かかってない土地とかがある場合、こういう場合出てこない時もあるんですね。

こういう場合にはいわゆる字図とか公図を法務局で取って、それで近隣の土地に心当たりがないかどうか、よくあるのが「私道」とかで非課税の不動産がある、こういう場合がありますので注意が必要です。
そういった場合には、公図を確認するとかいう確認作業が必要になってきます。

④弁護士会の照会制度、調査嘱託

後は弁護士会の照会制度、調査嘱託、それは先ほどの預貯金の場合と同じようにこういう照会の制度というのもあります。

(3)有価証券類

①郵便物の確認(封筒、配当通知書)

あと有価証券類ですね。これもやはり郵便物の確認、ほふりを持っているということであれば、なにかハガキが来てないかどうかとかですね、あとは配当通知書といって、株を持っていたら何かしらの配当がされている場合があります。そういう場合には配当の通知書のハガキとかそういうのを調べる。

②確定申告書、決算書等の確認

あとは確定申告書とか決算書、そういったものが出てこないか、特に株の問題については、配当利益の所得とかいうのもありえますし、そういったものを手がかりに株や有価証券がないかっていうのを確認していくということがあります。

③弁護士会の照会制度、調査嘱託

あと先ほど言った弁護士会の照会制度あるいは調査嘱託とか、あとはカレンダーですね。さきほど銀行の例を言いましたけれど、どこどこ証券のカレンダーとか持っていたら、その証券会社に問い合わせをしたら何らかの手がかりが出てくるということもあると思います。

(4)その他

①郵便物の確認(借金に関するはがき等)

後はその他の財産、これについてはやはり郵便物の確認が必要になってきます。特に遺産はプラスの財産だけじゃなくてマイナスの財産もあります。マイナスの財産、いわゆる借金ですね。負債、これについても調べる必要が出てきます。

万一負債の方がプラスの財産より多かったというような場合には、速やかに、3ヶ月以内に相続放棄とか限定承認の手続きを取らないと大変なことになる場合もあります。

だから必ず借金に関するハガキとか郵便物が来てないかどうか、あるいは先ほど申し上げました不動産があったら不動産の抵当権とか担保がついていないかどうか、担保がついてたということになると、それについてのローンとか借金とかいうのがあるということが推測できますので、そういうものを調べるということもあります。

②確定申告書、決算書等の確認

③弁護士会の照会制度、調査嘱託

④通帳の確認~引き落としがないか?

あと先ほどから言っている確定申告書や決算書の確認、弁護士会照会制度や調査嘱託の制度、そういったものとかあと通帳の確認ですね、通帳で色々引き落としされてるのがないかどうか、引き落としがされてたら何かカードの支払いじゃないのか、そうするとそのカード会社に問い合わせをして負債があるんじゃないのかなとかいう調査もする。

このように遺産の調査というのは非常に地道な作業になってきます、これはやはり素人さんではなかなか荷が重い、ですから特に孤独死とかされた場合には親族の方があまり情報がない場合が多いですので、そういう場合には弁護士などの専門家にご相談することをお勧めします。

以上で遺産の調査について簡単ですがご説明しました。

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